ウールとコットンの染色の違い

皆様、こんばんは。
今日は少し染色についてお話ししたいと思います。

先日のブログで少し触れましたが、私はコットンとウールでは染料を変えています。
(一部のメーカーでは1つの染料で両方とも染められるものもあります。)

ウールや絹などの動物性繊維、ナイロンなどの合成繊維は酸性染料という染料を使用しています。
酸性染料という名前の通り、「酸」を使用して染めます。
「酸」と言えば何が思い浮かびますか??
身近なものだと料理に使う酢、そして掃除の際に使うクエン酸などが上げられるかと思います。
私も染め始めの頃は料理用の酢を使って染めていました。

一方コットンや麻などの植物性繊維には直接染料を使用しています。
こちらは酸性染料の酸に代わり、塩を使って染めます。
そしてこの直接染料は動物性繊維も染めることができます。

では直接染料で全て染めれば良いのでは…?
そう思われる方もいるかと思います。
素材に関わらず同じ色が出せますし、私も是非そうしたいところなのですが、変えている理由は「堅牢度」です。
動物性繊維の場合は直接染料よりも酸性染料の方が堅牢度が高くなっています。

堅牢度は水や摩擦、日光などに対する丈夫さを表します。
洗濯をしたら色落ちしてしまった!
汗をかいたら色が移ってしまった!
摩擦で脱色してしまった!
折角時間をかけて編んだのに、残念な思いはしていただきたくないので、染料を分けています。

ただ、染料を変えているので、同じ名前の糸でも素材が異なる(動物性繊維と植物性繊維)と色が少し違います。
直接染料と酸性染料では、対応する同じ色がありません。
なので今回の新作で言うと、まずはコットンを直接染料で染めて、その色を見て酸性染料を数種類混ぜてアルパカレースを染めています。

最近はご自身で染められる方も多いようですね。
一度チャレンジされてみてください。

※今回紹介した以外にも色々な染め方、染料があります。
メーカーや染料によっては上記内容と異なることもありますのでご注意ください。

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